2025.11.01|最終更新日:2025.11.04
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イギリスの学校では、秋から冬にかけて多彩な行事が行われます。学業だけでなく、季節や文化、地域のつながりを大切にするのが英国の教育の特徴です。特にこの時期はDiwali(ディワリ)、Guy Fawkes Day(ガイフォークスディ)、そしてChristmas Chapel(クリスマスチャペル)など子供たちが楽しみながら学べる行事が続きます。
Diwali(ディワリ)
まず、Diwaliはヒンドゥー教の「光の祭典」とよばれ、闇に打ち勝つ光や善の象徴として祝われます。多文化社会であるイギリスでは宗教の枠を超えて学校全体で取り上げられることも珍しくありません。生徒たちは紙や粘土でランプ(ディヤ)を作ったり、カラフルな砂で模様を描く「ランゴーリ」を体験したりしながら異文化への理解を深めていきます。アセンブリー(全校集会)でディワリの物語を劇で紹介する学校も多く、子供達は楽しみながら他者の文化を尊重する心を育てます。

Guy Fawkes Day(ガイフォークスディ)
次に、Guy Fawkes Dayは毎年11月5日に行われる伝統行事です。17世紀に起こった「火薬陰謀事件」に由来し、「陰謀の失敗を祝う日」として知られています。学校では歴史の授業で事件の背景を学び、夜には校庭や地域の公園で焚火(ボンファイヤー)や花火大会が開かれます。冷たい空気の中、温かいホットチョコレートを手に花火を見上げる時間はイギリスならではの風物詩です。

Christmas Chapel(クリスマスチャペル)
そして、学期の締めくくりとなるのがChristmas Chapelです。多くの学校では12月にチャペルやホールで礼拝が行われ、聖歌隊のクリスマスキャロルが厳かに響き渡ります。生徒・教職員・保護者がキャンドルの灯のもとに集い、1年を振り返りながらミンスパイ(ドライフルーツやナッツ、スパイスなどを混ぜた「ミンスミート」という甘いフィリングをパイ生地で包んで焼いたお菓子)を片手にたわいもないおしゃべりを楽しみます。


季節行事への参加がこども達にもたらすもの
このように、イギリスの学校では秋冬を通して多彩な文化と伝統に触れながら学ぶ機会が豊富にあります。季節の行事は単なるイベントではなく他者を理解し、自分の価値観を広げる「生きた学び」の場です。イギリスの教育では「人としての成長」を重視します。勉学だけではなく行事や活動を通して子供たちは自分とは異なる文化や考え方を自然に受け入れ、相手を尊重する姿勢を身につけていきます。こうした経験は将来どの国や環境でも自信を持って生きていくための大きな糧になります。
日本ではなかなか味わえない、そんな本物の異文化体験ができるのもイギリス留学の大きな魅力のひとつです。