2025.04.12|最終更新日:2026.02.07

【留学準備】英国の私立シニアスクールの奨学金制度Scholarshipとは?

目次

はじめに

英国の私立校でお子様を教育することを志向するご家庭が最も気に留めるのは、日本の私立校に比べるとあまりにも莫大な学費。

英国の私立シニアスクール(中学・高校)の学費は通学生で年間 約25,000~35,000ポンド、寮生で年間45,000ポンド以上といわれています。

その莫大な学費負担を若干でも軽減する一助となるのが、私立シニアスクールが設けている奨学金制度です。

Scholarshipの種類

一般的な奨学金

多くの私立シニアスクールでは、学業、音楽、美術、演劇、ダンス、スポーツに秀でている生徒に与える奨学金として、それぞれAcademic、Music、Art、Drama、Dance、SportsのScholarshipを設けています。

学校による特別な奨学金

さらに学校によっては、STEM (Science, Technology, Engineering, Mathematics)や 古代言語(ラテン語や古代ギリシア語)などの特別な奨学金を設けている場合もあります。

またAll-Rounder Scholarshipという上に述べた2つ以上の領域について秀でている生徒に与える奨学金を設けている学校もあります。

家庭の経済状況による奨学金

その他、上記の奨学金制度とは全く別のカテゴリーとして、家庭の経済状態によって学費補助を受けることができるBursary (Financial Aid)を設けている学校も多くあります。Bursaryは通常の奨学金制度と比較すると、かなり多額の学費の割引が適用されます。

Scholarship受験のプロセス

奨学生となるためには、Year 5~Year 6までに受験したいシニアスクールに登録を行い、Year 5~Year 6に行われるISEB (Independent School Examinations Board)が施行するPre testでそれぞれのシニアスクールから3~4年後に入学するための仮合格をもらっておく必要があります。(学校によっては、このISEB Pre testの他に、それぞれの学校特有の試験も併せて課す場合もあります。)そしてYear 8の1月~5月に奨学生として入学を志望するシニアスクールに出向いて奨学生試験を受験します。更にYear 8の6月に実施されるCommon Entranceを受験して、それぞれのシニアスクールが定めている合格点を取得できれば、9月より晴れて奨学生として入学ということになります。(学業の奨学生に合格した生徒は、CE受験を免除される場合もあります。)

Scholarship受験の要件

1. Academic Scholarship

在籍している学校(プレップスクール)の能力別クラスでトップセットに在籍している必要があります。ただし、トップセットに在籍している生徒全員がAcademic Scholarship試験を受験できるわけではなく、在籍校の校長判断によります。

また、受験科目は、English, Maths, Science(Biology, Chemistry), Social Study(Geography, History), Divinity(Religious Study)が一般的で、その他としてはFrench, Latin, Ancient Greek, Spanish, Germanyなどがあります。

さらに学業の試験の他、エッセイや面談を課す場合も多く存在します。受験科目数が多いこともあり、多くのシニアスクールが宿泊受験を提供しています。

2. Music Scholarship

一般的に2つ以上の楽器(声楽を含む)演奏が必要となります。
ABRSM(Associated Board of the Royal Schools of Music)の音楽検定(Grade1~Grade 8)において、最低でもGrade 6あるいは7以上のグレードでMeritあるいはDistinctionで合格していることが必要なことが多いです。
受験する際に各学期2曲の演奏準備が必要となったり(合計演奏時間10分程度)、実技以外に面接があったりすることもあります。

3. Art, Drama, Dance Scholarship

ArtはYear 6~Year 8くらいの2年間に渡る作品集をポートフォリオとして提出する必要があります。
Drama, Danceは受験時に実技試験、Artも実技を課す場合があります。加えて、面接がある場合もあります。

4.Sports Scholarship

受験する種目のタイムトライアルなどがあります。プレップスクール在籍中の国内や国際大会出場時の記録やコーチの推薦文の提出も求められるケースがあります。

Scholarship取得の意義

学費面でのメリット

奨学金として学費の若干の割引があります。割引率は学校によって大きく異なりますが、多くの学校では5%~10%程度、どんなに多くても30%程度です。
また、Music、Drama、Danceの奨学生は、学期中のレッスン代が無料となります。

名誉あるステータス

「シニアスクールの奨学生である」ということは、学費割引よりも、奨学生としての学校内での名誉を得るという意味合いの方が強いです。
そのため、多くの学校では、高学年の奨学生は通常の生徒とは異なる特別な制服を着用していることが多く見受けられます。

また、シニアスクール入学時に奨学生に合格しても、在籍中にそのステータスを維持するには、相応の努力や成績が求められます。
奨学生として相応しくないと学校が判断した場合には、ステータスをはく奪されることもあります。

大学に進学する際の内申書には、シニアスクールでの奨学生としての活動が明記されます。
さらに、奨学生には校内でリーダーシップを発揮する場面が与えられる機会も多く、ステータスを維持するための弛まぬ努力が、結果として自己啓発や自信につながっていきます。

おわりに

Kens Academicのコンサルタントは、自身の子どもをシニアスクールの奨学生として入学させた豊富な経験を通じて、親御様やお子様に適宜な時期に適切なアドバイスをさせていただきます。どうぞ私たちに安心してお任せください。

2026.2.6追記
「英国のシニアボーディングスクールで奨学生として学ぶ意義」

2025年4月12日付と2026年1月31日付の教育コラムにおいて英国の私立シニアボーディングスクールで奨学生になるための要件や奨学生試験を受験するための準備プロセスについて述べましたが、今回はシニアボーディングスクールの奨学生として学ぶ意義について述べてみたいと思います。 

奨学生の授業料やレッスン料の割引率

英国のシニアスクールで奨学生試験に合格すると、Music, Drama, Dance, Sportsなどの奨学生の学期中のレッスン代は無料となり、その他に学費の若干の割引があります。しかしながら、その割引率は学校によって大きく異なるとはいえ、多くの学校では5%~10%程度。どんなに多くても30%程度と言われています。 

奨学生取得の意義と課題

上記のようにあまり大した割引にもならないにも拘わらず、奨学生になることには一体どのような意義や課題があるのでしょうか? 

●「シニアスクールの奨学生である」ということは、学費の割引率よりも、奨学生として学校内での名誉を得るという意味合いの方が強い。そのため、多くの学校では高学年の奨学生は通常の生徒とは違う=別格である、ことを瞬時に判別できる奨学生用の特別な制服を着ている場合が多い。 

●シニアスクール内での様々な活動でリーダーシップを発揮する場面を与えられる。 

●大学に進学する際の内申書にシニアスクールでの奨学生としての活動が明記される。 

●シニアスクール入学時に奨学生に合格しても、シニアスクール在籍中継続的にそのステータスを維持するためには、成績や成果を上げるための相応の自助努力が求められ、奨学生として相応しくないと学校が判断した場合には、奨学生のステータスをはく奪される。 

『相応の成績を残すための努力』というのは、例えば、長期休暇は奨学生以外の一般の生徒は家族旅行などをしてリフレッシュする時間に充てることが多いが、奨学生は集中して勉強をしたり、トレーニングをしたり、長期休暇明けに予定されていることが多いコンサートや展覧会の準備をしたりする時間となる。 

●奨学生のステータスを保持するための弛まざる努力が、自己啓発や自信につながる。 

おわりに

英国のシニアスクールにおいて、奨学生の資格を得るためには、数日間の宿泊を伴うような長時間にわたる難しい試験や面談に合格しなくてはならず、ある意味、茨の道です。 

しかしながら、奨学生は学校内においてはある意味スター的な役割を担い、様々な学校活動の中で多くの生徒の手本となることを期待され、最終学年になると首席生徒や副首席生徒や生徒会役員に選ばれる可能性も高くなります。首席生徒や副首席生徒は生徒代表として、校長、副校長、各領域の主任教諭などで構成されるシニアマネジメントチームが開催する学校運営会議に出席し、組織のみならず人をいかに統率するかを具体的に見聞きすることで、自身の将来に亘って役立つようなマネジメント能力の基礎を身に付けることができます。もしチャンスがあれば、皆様のお子様にも、そのような貴重な経験をぜひしていただきたいと願っています。 

英国のボーディングスクール留学の成功の要は学校選択に尽きると思います。 

Kens Academicの教育コンサルタントは豊富な経験をもとに、それぞれのお子様に寄り添い、最も相応しい進学先候補をお示しすることに自信を持っています。 

どうぞお気軽に何なりと私どもにお問合せください。

目次

北田 美香

記事執筆北田 美香

きただ みか

Kens Academic コンサルタント

在英歴15年。夫の海外転勤に伴い、息子とともに英国へ移住。息子をボーディングスクールに送り出した実体験に基づき、入学準備から現地生活の適応まで、保護者目線で実用的なアドバイスをお伝えしています。

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