2025.08.23|最終更新日:2025.08.30

【体験談】イギリスボーディングスクールの一日

目次

今回は、お子様がイギリスのボーディングスクールに通われた経験がある教育コンサルタントのお話から、イギリスの私立ボーディングスクールの一日・寮生活を覗いてみましょう。

日本の学校、他国の学校との違いや、特徴が見えてくるかもしれません。

起床・朝食

イギリスのボーディングスクールの朝はベルの鳴り響く音とともに1日が始まります。各ハウス(寮の事をハウスと呼びます)で点呼を行い、ダイニングホールに向かい、温かいトーストや卵料理、ベイクドビーンズ,ポリッジ等を食べながら友達と会話を交わし1日の始まりを迎えます。生徒の中には早起きして朝食の前にジムに行ったり、音楽の練習を行ったり、日々の忙しい時間割の中で隙間時間を見つけて色々な事に取り組んだりします。 

Harrow school 最新の寮

午前の授業

授業は少人数で進められ、先生との距離も近く一人一人の意見や質問が大切にされます。学校によって異なりますが、GCSE(Year9 – Year11)では、平均15~20人程度。A Level(Year12 – Year13)だと、ほとんどの科目が10人前後またはそれ以下となり、学びを深めることができます。

授業によっては教科書にとどまらず実際に近くの城や美術館、博物館を訪れ、それらがまさに生きた教材となります。たとえば歴史の授業で、中世の建築様式や王室の歴史について学ぶために、ウィンザー城を訪れ、現地で’本物’に触れる機会があります。

科学では実験を交えた探求が日常です。実際にDNA抽出の実験を行い、生徒が自分の手で科学のプロセスを体験することも。常に本物に触れることをとても大切にしているように感じます。知識だけでなく自分の考えを表現する力や相手の意見を聞く姿勢が育まれていきます。

ランチ

ランチは学校によってはそれぞれのハウス(寮)の食堂に戻る場合や学校の中の大きな食堂で一堂に会する場合もあります。最近は日本のカレーが人気でチキンカツカレーなどがメニューに載ることも!

午後の授業

ランチのあとは広い芝生やグラウンドでスポーツ、音楽室やアートスタジオでの創作活動など、充実した設備を思う存分に使って行うことができます。スポーツや芸術では時には専門家を呼んで特別講義などが行われる機会もあります。選ばれた生徒だけが参加できるツアーなども用意されているので生徒たちはその選考に選ばれるべく日々の練習や試合などを全力投球で頑張ります。

ラグビーやフットボールなどのチームスポーツでは身体能力だけではなく、リーダーシップやチームワークを学び、芸術活動では仲間と刺激を与え合いながら新しい表現に挑戦します。日本の学校では部活動が放課後に集中しますが、イギリスでは日中の時間割の中に組み込まれているのも特徴です。

Harrow school 広大なフィールド(サッカー・テニスコート、クリケット、ゴルフコースまで)

放課後~就寝

夕方のプレップ(自習時間)は学びを自分の力に変える大事な時間です。各々の部屋で、学校によっては指定の勉強部屋で仲間と机を並べながらわからないところを教え合い、時には先生のサポートも受けながら課題を進めていきます。通学型の日本の学校では家庭で行う学習が多いですが、ボーディングスクールではハウス内で完結するため学びの習慣が自然と生活の一部となります。

夜になると、自由時間が与えられ各々好きな事をして過ごします。おしゃべりをしたり、ビリヤードをしたり、ジムに行く生徒も。時には学校内のシアターで映画鑑賞会が開かれたりします。それぞれが心地良い時間をすごし1日の終わりを迎えます。消灯の合図とともに各自部屋に戻り静かに一日を終えます。

卒業後

息子はボーディングスクールを卒業後、大学に進学しましたが、当初は何事においても自由であることに戸惑いがあったようです。それだけボーディングスクールでは規律に基づいた規則正しい生活を送っていたということでしょう。厳しさはあったものの、日々のルーティンを否が応でもこなすボーディング時代を懐かしく思うこともあったようです。

大学生活も残り1年となりましたが、今ではすっかりその自由を楽しんでいる様子です。厳しい規律の中で過ごしたボーディングスクールでの生活と自由な大学生活。この2つを経験しているからこそそれぞれの時間がより価値あるものになっているのだと感じています。

まとめ

イギリスのボーディングスクールでは授業だけでなくハウスでの暮らしや放課後の活動もすべてが学びにつながっています。友達との関りやスポーツ、音楽、美術などの経験を通して自然に自分らしさや自信、自主性、そして世界に目を向ける広い心を育てるのではないかなと思います。毎日の生活そのものがお子様の成長をやさしく後押ししてくれる環境であることは言うまでもありません。日々の経験そのものが成長の土台となる、これがボーディングスクールの最大の魅力です。

目次

森重弥須美

記事執筆森重弥須美

もりしげ やすみ

Kens Academic コンサルタント

在英歴14年(通算20年)。二人の息子をイギリスのボーディングスクールで学ばせ、卒業へと導いた経験に基づき、成功談だけでなく苦労した点も含め、リアルな体験に基づいた実践的なサポートを提供しています。

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