2025.05.10|最終更新日:2025.05.10
目次
「イレブンプラス(11+)」とは何か?
イギリスの「イレブンプラス(11+)」とは、主に10歳~11歳(Year6)の児童を対象に実施される選抜試験の事です。この試験を通じて生徒がGrammar School(グラマースクール)や一部の私立校に進学するかどうかが決まります。グラマースクールは公立ながら高い学力を誇る名門校も多く、入学するには非常に競争率が高いことで有名です。よってイレブンプラスは学力によって生徒を選抜し、よりアカデミックなカリキュラムを提供するグラマースクールや私立校への進学を可能にする仕組みです。
試験内容について
地域や学校によって異なりますが典型的な科目としては以下があげられます。
1. English(英語)
読解力、文法、語彙力、創造的なライティング力を評価
・読解問題(Comprehensive)与えられた文章(物語、説明文など)を読み、内容理解を問う設問に答える。
・文法と語彙(Spelling,Punctuation&Grammar) 文法の誤りを正したり、正しい 単語の使い方を選ぶ設問。
・創作文(Creative Writing) 物語や説明文を書かせる。想像力、構成、語彙の豊かさなどが評価される。
2. Maths(数学)
基礎的な算数能力と応用力を評価
・四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)
・分数、少数、パーセンテージ
・比、割合、比率
・グラフや表の読み取り
・問題解決能力(Word Problems)
3. Verbal Reasoning(言語的推論)
単に国語力だけではなく、「ことばで考える力」をみる試験。
・単語の関係性(類義語、反意語)
・アナグラム(文字並べ替え)
・文の完成
・語順並べ替え
・単語のパターン認識(例:どの単語が他と違う?)
4. Non-Verbal Reasoning(非言語的推理、図形など)
視覚的なパターン認識力、抽象的思考力を評価。知能テスト的な要素。
・図形の法則や規則性を見つける
・形の回転・反転
・図形の並び替え
・次に来る図形の予測
地域による試験形式の違い
イレブンプラスの試験内容は地域によって異なる場合があります。
例えばKent州などではEnglish,Math,Reasoningすべてが含まれますがほかの州ではMathとReasoningだけ、または独自の試験形式の場合もあります。
グラマースクールの多いBuckinghamshireでは「Secondary Transfer Test」とよばれる独自のイレブンプラスの試験が行われています。この地域はグラマースクール制度が盛んなため試験は競争率が激しく構成もやや複雑となっています。
私立校ではさらにエッセイやインタビューが加わることもあります。
試験対策について
小学校によりますが、学校内で対策を行っている学校もあります。
他にはチューターとよばれる家庭教師を利用したり、オンライン講座を受講したりといった方法があります。
また、GL Practice Paperと呼ばれる過去問題集も存在しており、これらを使って準備するケースもあります。
まとめ
イレブンプラスは、グラマースクールや一部の私立校に進学するための重要なステップとなる選抜試験です。試験形式は多岐にわたり、地域ごとに異なる場合もあるため、事前の情報収集と計画的な準備が合格への鍵となります。