2025.01.21

【Harrow School 体験談】イギリス名門パブリックスクール留学の特徴とおすすめな理由

目次

Harrow School の概要 

対象年齢と経験

Harrow Schoolは、ロンドンの北西部・ロンドン市街を見下ろすHarrow on the Hillという丘の上に位置する名門男子校です。13歳から18歳の生徒を対象としており、全寮制の学校です。 

学問とスポーツ、音楽、美術、演劇、CCF(英国軍隊の一員としての軍事教練)など、多岐にわたる経験を通じて生徒の人格形成を支援しています。

生徒の才能を引き出す教育

近年Harrow Schoolでは、奨学金の提供にも力を入れています。優れた教師陣のほぼ8割が広大な学校の敷地内に居住し、生徒の才能を引き出す教育を行っています。また、きめ細やかな手厚いケア(Pastoral Care)を提供し、バランスが取れた成熟した一人の大人として社会に関わっていくことができる人間形成に重点を置いています。卒業後の大学生活やその先の人生に備え、生徒が自信を持ってリーダーシップを発揮し、社会に良い影響を与えることができるようにすることを目指しています。 

他の学校と比較をした際の特徴 

名門パブリックスクール9校のうちの1つ

Harrow Schoolは、1572年創立の長い歴史と伝統に裏打ちされた教育の質の高さで知られており、“ザ・ナイン”と称されている名門パブリックスクール9校のうちの一つです。著名な卒業生として英国元首相のウィンストン・チャーチル、インドの元首相ネルー、詩人のバイロン、俳優のベネディクト・カンバーバッチなどを輩出しています。 

Harrow Schoolと他の学校の比較

他の学校と比較して、以下の点が特徴的です: 

  1. 施設の充実度:基本的に生徒は全員寮生であり、敷地内に点在するハウスと呼ばれる13の寮に13歳から18歳までの生徒たちがそれぞれ分かれて暮らしています。各ハウスには専用運動場も付設しています。また各ハウスには、舎監の教師が家族と共に常住し、それを補助する教師たちも交代制で寝泊まりしています。これにより、学業だけでなく、生活面でも自立心や相互を深く尊敬し理解する協調性を育む環境が整っています。 
  1. 多様な課外活動:スポーツや芸術、CCFなど、多岐にわたる課外活動が充実しており、生徒の多面的な成長を支援しています。これにより、学問だけでなく、リーダーシップやチームワークのスキルも養われます。 
  1. 手厚いケア(Pastoral Care)の重視:基本的な身体の健康維持のためのケアの範囲を超えて、心のケアを含めたきめ細やかなケアを提供しており、時にはカウンセラーや医師を交えて、生徒の感情的および精神的な成長をサポートしています。これにより、生徒は安心して学び、成長することができます。 
  1. 15歳で受験する義務教育終了試験 (GCSE)や大学の進学試験(A レベル)の受験科目として日本語を選択することを可能とすべく、日本語担当教師を常時配備している数少ないシニアのボーディングスクールの一つです。 
  1. 日本、中国、タイなどのアジア諸国にHarrow International Schoolを展開しています。 

Harrow Schoolは、これらの特徴を通じて、生徒一人ひとりの才能を最大限に引き出し、社会に貢献できる人材を育成することを目指しています。 

実際に筆者の子どもをHarrow Schoolへ入学させて良かったと思う点 

学問以外にも専念できるイギリスHarrow Schoolの魅力

私の息子は日本では高校まで一貫教育の私立小学校に在籍しており、夫の帯同で小学4年の1学期を終えて英国のプレップスクールに編入しました。 

日本の教育制度の中でそのまま成長していたとしたら、多くの日本の子ども同様に学年が上がるにつれて受験勉強に専念せざるを得ず、幼い頃から習っていたピアノ、水泳、美術の造形活動を継続することができなかったと思いますし、プレップスクール卒業後に進学したHarrow Schoolで音楽奨学生(Music Scholar)の資格を得ることが目的で来英後に第二の楽器として習い始めたオーボエで、Harrow入学後にはスクールオーケストラでのオーボエ奏者の役割を担うことができました。 

また英国では、走る競技は日本のように短距離だけに重点を置くようなことはなく、クロスカントリーという名前の長距離走の種目もあり、幼い頃から水泳を習わせていたので肺活量が多いのか(?)長距離走が得意なことが判明し、Harrow Schoolでは全校マラソンの32kmの部で優勝することができました。 

子どもの才能を引き出す教育

Harrow Schoolでは有名大学へ進学するための学業のサポート以外にも、その子どもの才能を引き出す多くの機会が与えられます。楽器だけでなく、ある子どもは卓越したスポーツの能力があって、英国代表としてナショナルチームのユースメンバーに選ばれたり、他の子どもは各ハウス(寮)対抗の演劇大会で大活躍して早くから演劇の才能を発揮し、大学卒業後は俳優の道に進んだり、またある子どもは入学早々から人前で話す才能を開花させて英国でも指折りの政治家になったりなど、その才能とそれを最大限に発揮する努力によってその道のプロになる卒業生も多く輩出しています。 

全寮制で日本からの留学でも安心

Harrow Schoolは全寮制 (Full Boarding) を原則としていて、基本的に学校が決めている公的な休暇以外は学校の敷地外に出ることが許されません。Weekly Boardingのように週末ごとに帰宅を許しているボーディングスクールが多くなってきている現状の中、保護者がすでに日本へ帰宅していたり、元々日本から留学してきていたりするお子様にとっては、場合によっては週末ごとに数人が寮に取り残されるような淋しい思いをすることが皆無なので、好ましい居住環境かと考えます。 

またHarrow Schoolは各寮にほぼ満遍なく学業、スポーツ、音楽、美術、演劇の奨学生が分散しています。息子はシニアのボーディングスクール受験時に、Academic ScholarshipとMusic Scholarshipを受験しました。息子はAcademic Scholarだけが集まって生活するある意味「他者を蹴落として切磋琢磨するような環境」を嫌っていたので、息子の平和主義者的な性格も考慮してHarrowに入学することに決めて本当に良かったと思いました。 

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北田 美香 (きただ みか)

記事執筆北田 美香 (きただ みか)

在英15年のイギリス教育・受験コンサルタント。我が子を英国ボーディングスクールに送り出した経験から、日本人の保護者目線でのアドバイスを提供しています。

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