2025.09.13|最終更新日:2025.09.13
目次
海外の小中高・海外の大学に進学したら、卒業後はどんなキャリアが待っているのだろう?イギリス留学を検討される方からよくいただくご質問です。
イギリスへの留学は語学力や学位の取得だけではなく、将来のキャリアや人生の選択肢を大きく広げるチャンスです。特にイギリスは「ラッセルグループ」と呼ばれる名門大学群が存在し世界的にも高い評価を得ています。こうした大学に進学することは国際的な学びを深めるだけでなく、卒業後のキャリアにも直結します。
もちろん、日本の高校を経て大学から留学をされる方もいらっしゃいますが、イギリスの大学への留学を本気で目指すなら小・中・高校の段階からイギリスに留学することを強くお勧めします。
現地の教育システムに早くから馴染むことで英語力だけでなく学習スタイルや課題の取り組み方を自然と身につけることができます。特に私立一貫校からラッセルグループへの進学率は高く、将来の大学進学を有利に進められるのです。
イギリスの大学を卒業した後にどのような進路が開けるのか、イギリスの大学の特徴と、具体的な選択肢と共にみていきましょう。 このコラムは、前編・後編でお送りいたします。
1.世界で通用する学位の価値と進学実績
ラッセルグループはオックスフォード大学やケンブリッジ大学を含むイギリスのトップ研究型大学24校からなる大学群です。世界ランキングでも常に上位を占めており卒業生は国際的に通用する学位を手にします。
さらに注目すべきは進学実績です。イギリスでは私立の一貫校出身者は公立校出身者に比べ、ラッセルグループに進学する割合が2倍に上ります。これは教育環境やサポート体制の違いを反映していますが、同時にラッセルグループがいかに「憧れの進学先」として位置づけられているかを示すデータでもあります。
こうした大学で得られる学位は日本や他国での就職活動においても大きな強みとなり外資系企業やグローバル展開を進める日系企業からも高く評価されます。
2.イギリスでの就労のチャンス
イギリスの大学を卒業すると一定期間現地で働ける制度が整っています。代表的なのが「Graduate Routeビザ」と呼ばれる就労ビザ制度です。学部卒業生は2年間、大学院修了者は最大3年間イギリス国内で就労や就職活動が可能になります。この制度を利用して多くの留学生が現地企業に就職し国際的なキャリアの第一歩を踏み出しています。特にラッセルグループの大学卒業生は企業からの評価が高く金融、コンサルティング、メディア、IT、さらには政府関連機関など幅広い分野でチャンスが広がっています。
3.大学院進学で専門性をさらに高める
イギリスの大学を卒業した後、さらに大学院へ進学して専門性を高める学生も少なくありません。イギリスの修士課程は通常1年制が多く短期間で効率よく学位を取得できるのが特徴です。ビジネススクールでのMBA,国際関係学、法学、教育学、工学などラッセルグループをはじめとする大学院プログラムは世界的に高く評価されています。専門性を深めることで研究職や国際機関、グローバル企業でのキャリアに直結するケースも多くあります。
4.ギャップイヤーやサンドイッチイヤーを活用した実務経験
イギリスの大学教育の特徴の一つが学位取得の過程で「実務経験」を積むチャンスが豊富にあることです。
ギャップイヤー(Gap Year)
入学前や在学中に1年間休学してインターンシップ、ボランティア、海外滞在などに挑戦する学生も多くいます。学びの合間に社会経験を積むことで将来の進路を考えるうえでの視野が広がります。
サンドイッチイヤー(Sandwich Year)
「サンドイッチコース」と呼ばれる制度があります。3年制の学部課程に1年間の就業経験を組み込んだ「4年制プログラム」として学ぶことができます。この1年間を企業での有給インターンシップに充てることで卒業時には「学位+実務経験」を兼ね備えた人材として就職活動を有利に進められるのです。こうした経験は卒業後の就職に直結するだけでなく学問と実務をつなげる実践的な学びとしても大きな価値があります。
次回の後編は、イギリスの大学に進学したのちの進路、筆者の子どもの経験などをお伝えします。