2025.07.05|最終更新日:2025.07.04

【大学進学ガイド】IBで受けられるイギリスの大学とAレベルとの違いとは?

目次

IBで受けられるイギリスの大学とは?

前回はIB (International Baccalaureate) についてお伝えしましたが今回はIBで受けられるイギリスの大学はどんな所があるのか調べてみました。
イギリスではIBを広く認めているのでたいていの大学は受験可能です。
例としていくつか挙げてみます。

ハイヤーレベルとスタンダードレベル

IBディプロマの選択科目は「ハイヤーレベル(HL)」と「スタンダードレベル(SL)」と二つに分けられ難易度レベルを表します。どちらのレベルを選択するかは生徒の興味や進路希望によって異なります。HLはより高度な内容を扱い、SLはHLよりも学習内容が比較的浅く、学習時間も少なくなっています。

大学受験のDP(ディプロマプログラム)では6つの教科グループと3つのコア科目で構成されており、最低3科目はHLを履修し残りをSLで履修します。受験する学部学科によってHLの教科の指定があったり、求められる点数も変わるので事前に詳細を知る事は大切です。例えば国際的な大学で経済学を志望する学生はHLの数学を選択する事が重要です。工学部志望の学生は数学HLと物理HLに重点をおくべきであり、医学部志望の学生は化学HLと生物HLを優先すべきであります。

IBのスコア

IBのスコアは1から7までの7段階評価で7が最高点です。6科目の合計点で最大42点、それに加えてEE(Extended Essay)、TOK(Theory of Knowledge)で3点、合計45点満点で評価されます。

ここからはイギリスの大学の例をみてみましょう。

University of Oxford

www.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/applying-to-oxford/for-international-students/international-qualifications から引用
・IB 総合スコア:38~40点(専攻により異なる)
・Higher Level (HL)科目で全て6~7点が必要。

医学部(2025年)
IBスコア39点+HLで7,6,6(化学と生物または物理・数学含む)
www.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/courses/course-listing/medicine

University of College London (UCL)

コンピューターサイエンス学部(2025年入学)
・標準オファー:IBスコア40点
・HLで3科目以上20点
・HL数学で7点以上
www.ucl.ac.uk/prospective-students/undergraduate/degrees/computer-science-bsc/#tab2-ibdiploma

University of Warwick

アカウンティング&ファイナンス学部
・標準オファー:IBスコア38点
・HL 数学で6点以上
warwick.ac.uk/study/undergraduate/courses/bsc-accounting-finance

以上からもわかるように名門校や人気コースではIB38~40点+HLで高得点(6~7)が標準的です。医学や理工系は科目指定とHLポイント(例;科学、生物、数学)が特に重要です。一般的な文系、ビジネスコースでは38点前後でHL合格条件(5点以上)を求められます。中堅校などでもIB32点~36点がボーダーになることが多くHLで5点、6点レベルの科目達成が合否に大きく影響します。

いずれにしても大学ごとに各学部、各学科によって求められる点数は異なりますのでホームページの募集要項などで志望コースの要件を必ず確認してください。特にHL科目の指定やコア科目の点数が重要となります。そのほかにも海外からの受験生には英語能力条件(IELSなど)にも注意が必要です。

IBとAレベルとの比較

IB(国際バカロレア)とA レベル(イギリスの大学入学資格)はどちらも国際的に認められた教育プログラムですが、学習スタイルや評価方法、進学先の傾向などに大きな違いがあります。大きく分けると
IB:幅広い分野に興味があり、探求型の学習が好きな人
Aレベル:得意科目に集中したい人、明確な進路がある人
と言われています。

将来のキャリアやスキルへの影響はどうか?

・IBは「探求力・批判的思考・多文化理解」などグローバル人材必要な力を育てる設計になっている。
国際機関、外資系企業、研究職などに進みたい人に有利。
・Aレベルは「専門性の深さ」が強みで理系、医療、法律などの専門職に進む場合に有利。早い段階で進路が明確な人に向いています。

IB と Aレベルの比較表

項目IB(International Baccalaureate)Aレベル(A-Levels)
科目数6科目+コア要素(TOK, EE, CAS)通常3〜4科目を自由選択
学習スタイル幅広くバランス重視専門分野に特化して深掘り
評価方法内部評価+筆記試験(最大45点)最終試験重視(A*〜E)
求められる力批判的思考・独立研究専門知識・試験対応力
国際認知度非常に高い(欧米・国際大学など)主にイギリス圏で評価される
大学進学実績米・加・日など海外大学に有利英国内大学の主要資格
柔軟性科目選択はやや制限あり得意分野に集中しやすい
負担の大きさ高め(課題・活動が多い)比較的管理しやすい

IBもA レベルもどちらも素晴らしいプログラムですが自分の学習スタイルや将来の進路に合った方を選ぶのがベストです。どちらを選んでもしっかり取り組めば進路の可能性は大きく広がります。もし志望大学や将来の就職が決まっているならばそれに合わせて戦略的に選ぶのもよいかもしれません。

目次

森重弥須美

記事執筆森重弥須美

もりしげ やすみ

Kens Academic コンサルタント

在英歴14年(通算20年)。二人の息子をイギリスのボーディングスクールで学ばせ、卒業へと導いた経験に基づき、成功談だけでなく苦労した点も含め、リアルな体験に基づいた実践的なサポートを提供しています。

詳しいプロフィールはこちら→

こちらの記事も読まれています