2026.07.18|最終更新日:2026.07.18

イギリスのシニアボーディングスクール 男女共学と別学、どちらを選ぶ? -変化する英国の伝統校から考える学校選び- 

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英国のボーディングスクールは「共学」と「別学」が共存している

イギリスのシニアボーディングスクール(13歳~18歳対象)には男女共学校、男子校,女子校の3つの形態があります。いずれも長い歴史を持つ学校が多く、それぞれ異なる教育理念や校風を築いてきました。 

イギリスでは古くから男子校、女子校が一定数存在し、世界中から留学生を受け入れています。一方で、近年は共学へ移行する伝統校も増えており、英国ボーディングスクールは大きな転換期を迎えています。学校選びでは「共学か別学か」という分類だけではなく「どの学年から共学なのか」を確認することも重要です。 

「Sixth Formのみ共学」という学校が存在する理由

イギリスにはYear9(13歳)からYear11(16歳)までは男子のみで教育を行い、Sixth Form(Year12・13)の2年間だけ女子を受け入れる学校があります。 

Sixth FormはGCSE修了後に進学する課程で、多くの学校ではA LevelまたはInternational Baccalaureate (IB)を履修し、大学進学を目指します。 

この形態を採用している学校では、Sixth Formから新たに男女双方の生徒を募集します。そのため、女子は他校から入学するケースが多く、英国国内だけでなく海外から入学する生徒も少なくありません。この制度は長年にわたり英国のボーディングスクールで採用されてきたものであり、「男子校でありながらSixth Formは男女共学」という形態は英国では珍しいものではありません。 

「女子の方が学力が高いから受け入れている」は公式な理由ではない

保護者から時折、「男子校がSixth Formから女子を受け入れるのは女子の方が学力が高いからでしょうか」という質問をうけることがあります。 

しかし、学校が公式にそのような理由を説明している事実はありません。 

英国ではGCSEやA Levelの結果について男女別の統計が公表されており、年度や科目によって違いはあるものの、女子の成績が男子を上回る傾向がみられる年もあります。一方でそれを理由として男子校がSixth Formから女子を募集していると説明している学校は確認されておりません。 

各校が公表している資料ではSixth Formで男女を受け入れる目的として、学校コミュニティの拡大や教育環境の充実、大学進学前の学びの場の提供などが説明されています。したがって、「女子の学力が高いこと」が制度の理由であると結び付けるのは適切ではありません。 

共学校へ移行する伝統校が増えている

近年の英国では、長い歴史を持つ伝統校が男女共学へ移行する動きが続いています。代表的な例のひとつがCharterhouseです。1611年創立の同行は長年男子校として運営されてきましたが、2021年から13歳入学(Year9)で男女共学へ移行しました。現在は全学年で男女が学んでいます。 

また、Winchester Collegeは依然として13歳入学では男子のみを募集していますが、Sixth Formでは女子を受け入れています。さらに女子ボーダーの受け入れも開始し、共学化を段階的に進めています。 

さらに、Westminster SchoolもYear9からの男女共学化を発表しており、今後数年間かけて全学年で共学となる予定です。 

これらはいずれも英国を代表する歴史ある学校であり、近年の英国教育の変化を示す事例として注目されています。 

一方で別学を維持する学校も多い

共学化が進む一方で、現在も男子校、女子校として教育を続けている学校はあります。男子校ではEton College, Harrow School, Radley College, Tonbridge Schoolなどが代表的です。女子校ではCheltenham Ladies’ College,  Wycombe Abbey, Benenden Schoolなどが世界的にも高い評価を受けています。 

これらの学校はそれぞれ独自の教育理念を掲げ、長年にわたり別学として運営されています。現時点で共学化を予定していない学校もあり、英国では別学と共学との両方が選択肢として存在します。 

留学生は何を基準に学校を選べばいいのか

日本から留学を検討する場合、「共学か別学か」は学校選びのひとつの要素ですが、それだけでは学校の特徴を判断することはできません。 

例えば 

・採用しているカリキュラム(A Level、IBなど) 

・ボーディングハウスの体制 

・留学生へのサポート 

・課外活動の内容 

・大学進学実績 

・学校の教育理念 

なども重要な比較ポイントになります。 

また「男子校」と紹介される学校でもSixth Formは男女共学である場合があり、「共学校」と紹介される学校でも比較的新しく共学化したケースがあります。そのため、学校案内を見る際には、どの学年から男女共学なのかを確認すると学校の特徴をより正確に理解できます。 

学校選びで大切なのは制度だけではない 

英国のボーディングスクールは、何百年もの歴史を持つ学校が多い一方で、社会や教育環境の変化に合わせて制度を見直してきました。 

近年は共学化を進める学校がある一方、従来どおり別学を維持する学校もあります。どちらが優れているというものではなく、それぞれの学校が教育理念や将来像に基づいて制度を採用しています。そのため、日本から留学する際には、「共学だから」「男子校だから」という分類だけで判断するのではなく、学校全体の教育方針やカリキュラム、生活環境、大学進学へのサポートなども含めて比較することが大切です。英国には多様な学校があり、それぞれ異なる魅力があります。制度の違いを正しく理解したうえで、お子さまに合った環境を選ぶことが、充実した留学生活への第一歩となるでしょう。 

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森重弥須美

記事執筆森重弥須美

もりしげ やすみ

Kens Academic コンサルタント

在英歴14年(通算20年)。二人の息子をイギリスのボーディングスクールで学ばせ、卒業へと導いた経験に基づき、成功談だけでなく苦労した点も含め、リアルな体験に基づいた実践的なサポートを提供しています。

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