2026.09.26|最終更新日:2026.09.25
目次
「海外で学ぶ(留学)のは早ければ早いほど良い」という考え方は、一概には正しくありません。
年齢が低いほど有利な面もありますが、海外で学ぶことの目的や本人の性格、語学力、学習環境によって最適な時期は変わります。
低年齢から海外で学ぶメリット
- 言語を身につけやすい
子どもは発音や自然な表現を吸収しやすく、現地の言語環境に適応しやすい傾向があります。また実際の教育現場で使用されるアカデミック英語の単語数は大人が使用する単語数に比べてはるかに少ないので、日々の活動で繰り返し耳にし、使うことにより自ずと身につけることができます。 - 異文化への抵抗感が少ない
幼い時期から異なる文化や多様な価値観に触れることで、「違い」を自然に受け入れる姿勢を育てやすくなります。 - 将来の選択肢が広がる
海外の学校制度や大学進学を早い段階から経験することで、将来の進路を日本に限定するのではなく、国際的な視野に立って考えやすくなります。 - 自立心が育つ
慣れない環境で生活する経験は、自己管理能力や問題解決能力を養うきっかけになり、生きる逞しさが培われます。
海外で学ぶ(留学)時期を決めるよりも大切なこと
しかしながら、子どもを海外で学ばせようとする際に最も重視すべきことは、その時期よりも「海外で学ぶ準備ができているか」です。
例えば、本人がまだ日本語による思考力や基礎学力を十分に身につけていない段階で長期留学すると、英語は伸びても、学習内容そのものを理解することに苦労する可能性があります。また、母語である日本語を十分に習得できていないために、アイデンティティや帰属意識について悩む可能性も否めません。
また留学の場合は、年齢が低いほど、親元を離れることによる精神的な負担も大きくなります。本人が「海外に行きたい」と思っているのか、それとも親の希望なのかを見極めることも非常に重要です。
年齢による海外で学ぶこと(留学)の目的の違い
ではここで、留学を始める際の学齢によるメリット、特に気を付けるべき注意点、その時期に海外で学ぶのに最もふさわしい目的を考えてみましょう。
英国で学ぶこと(留学)を始める時期の比較
| 時期 | 主なメリット | 注意点 | 向いている目的 |
| 小学校 | 英語・発音、異文化への適応が早い | 日本語力・親子の負担 | 英語を自然に身につけたい |
| 中学校 | 英語と学力の両方を伸ばしやすい | 英国のカリキュラムへの適応 | 英国で長期的に教育を受けたい |
| 高校 | 英国の大学進学につなげやすい | GCSE/A-levelへの適応が必要 | 英国や海外の大学を目指したい |
| 大学 | 専門性+英語+国際経験 | 英語力が必要 | 海外就職・専門性を高めたい |
いつ留学するのが最も効果的か?
私は「小学校高学年~中学生」を一つの有力な時期と考えます。
英国で将来的に大学まで教育を受けることを想定するなら、10~14歳頃に英国教育へ移ることには大きなメリットがあります。
理由は3つあります。
① 英語を身につける時間が十分にある
大学進学まで数年間あるため、単に「英会話ができる」だけではなく、英語で数学・理科・歴史などを学ぶアカデミック英語まで伸ばしやすくなります。
② 英国の教育制度に慣れる時間がある
英国では、15~16歳頃にGCSEという中等教育修了時の資格試験を受け、その後、大学進学などを目指す生徒は、16~18歳頃にSixth Form(シックスフォーム)で学び、A-levelと呼ばれる大学入学共通試験の合格を目指します。日本とは、学習内容や科目の選択、試験・評価の仕組みがかなり異なるため、早めに英国の教育環境に入ることで、授業形式やエッセイ、プレゼンテーション、ディスカッションなどに徐々に慣れることができます。
③ 日本語と英語のバランスを取りやすい
小学校低学年から海外生活を始めると、英語が強くなる一方で、日本語の読み書きや日本文化との接点をどう維持するかが課題になることがあります。
中学生前後であれば、日本語の基礎的な読み書きや思考力をある程度身につけたうえで、英語を本格的に伸ばすという選択ができます。
また私立のシニアスクール(中学・高校一貫校)の中には、GCSEやA-levelの準備のために、日本語担当の日本人の先生を雇用している学校もあるので、そういった学校に進学して日本語をキープするのも一つの手段かと思います。
低年齢の子どもが海外で学ぶ意義と注意点
では小学校低学年生から海外で学ぶことは良くないのか?といえば、そういうわけではありません。
本人が海外生活を楽しめるタイプで、家庭で日本語をしっかり維持できるのであれば、低学年から英国で生活するメリットは非常に大きいです。
「家庭で日本語をしっかり学べるような環境」である駐在員のご家庭などはこの代表的な例の一つと言えるでしょう。
特に「英語を勉強する」のではなく、「英語で生活し、英語で学ぶ」という環境を長期間経験できるのは大きな強みです。
一方で、親が「海外で学ぶのが早いほど英語がペラペラになるから」という理由だけで低年齢の留学を決めるのはおすすめしません。
逆算の考え方
駐在などにより子どもを海外で学ばせる、あるいは海外に留学させたい時、それを成功させるためには次の順番で考えることをお勧めします。
①将来どんな仕事をする大人になって欲しいか
↓
②どこの国で大学に進学したいか
↓
③そのために英国教育(海外での教育)を何歳から受ける必要が
あるか
↓
④本人が海外生活を望んでいるか
↓
⑤日本語・英語の両方をどう育てるか
↓
⑥留学期間を決める
つまり、「何歳から留学するか」ではなく、「何をゴールにするか」から逆算するのがポイントです。
たとえば、将来、英国を含めて海外の大学に進学したい、英語をネイティブに近いレベルまで伸ばしたい、日本語もしっかり維持したい、将来は日本と英国の両方で活躍できるようにしたいなどの目標なら、留学開始時期によってかなり戦略が変わってきます。
皆様からのお問合せをお待ちしています。