2025.11.08|最終更新日:2025.11.07
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ご家族と離れてお子様を英国に留学させることを検討された時、何歳からの寮生活が可能なのかと不安に思われる保護者の方々は多いのではないでしょうか?
寮を併設している英国の私立小学校の多くは、Year 4(4年生)=8歳から寮生を受け入れている学校がほとんどです。
日本ではなじみの薄い「小学生の寮生活」
日本の学校では小さな子どもが寮生活を送ることはほとんどないので、「8歳から寮暮らし?」「そんな小さな頃から一人で可哀そうに」「うちの子どもは精神年齢が低いから無理」「子どもの世話を他人に任せるなんて無責任」などと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、エリザベス女王1世時代から大英帝国として世界中に植民地を築いてきた英国の学校では、世界各国の植民地で仕事をしている親が子弟を英国本国に送り、寮生活の中で、親達に続く次世代のリーダーを養成してきた豊富な経験の積み重ねがあります。
寮の仕組みとサポート体制
寮は小学校といえども、男子寮と女子寮に分かれており、“ハウス”と呼ばれるそれぞれの寮には寮全体の運営を監督する責任者・舎監の先生(ハウスマスターあるいは夫妻でこの任務に当たるハウスペアレント)がいます。ハウスマスターやハウスペアレントは日中は色々な教科を教える先生でもあります。その他、各ハウスには、寮母さん(メイトロン)や寮母のアシスタント数名が常駐し、服の洗濯、繕いもの、掃除、子どもが幼い場合はシャワーや爪切りから病気になった際のお世話まで、こまめに生活一般の面倒をみてくれます。舎監の先生も寮母さんも子どもを扱うプロフェッショナルとして誇りをもって任務に当たっており、信頼が置ける人たちです。
寮での暮らし
部屋割の人数は学校の設備にもよりますが、2、3人から8人くらいで一部屋。低学年の場合には多人数が割り当てられる傾向が多いです。
授業や課外活動が終わると、宿題や夕食は学校で済ませる場合やそれぞれの寮で済ませる場合がありますが、就寝時間まで寮の共有スペースで上下の学年の仲間たちとお喋りをしたり、映画やテレビを観てリラックスしたり、遠く離れた保護者と連絡を取ったりして過ごします。
週末にはハウスマスター主催で、観光やピクニックに出かけたり、映画館やボーリング場に出かけたり、バーベキューをしたりなど、子ども達が寂しくならないようにとの配慮からな様々なイベントが企画されています。
子どもが病気になった場合は、寮内で個室に隔離されて寮母やアシスタントがケアしますが、重病の場合や伝染病の場合は病人棟に隔離され、スクールドクターが診察し、スクールナースが看護にあたります。
母としての心配と息子の成長
私の息子は夫の転勤に伴って10歳でロンドン郊外の私立小学校のYear 6に編入しました。当初は朝晩私が運転する車で通学し、3学期目からWeekly Boarderと呼ばれる週末だけ帰宅可能な寮生になる学校だとは全く理解していなかったため、2学期目の終わりに校長先生から送られてきた「来学期から寮生活スタート」のお知らせには大ショックで、校長先生に何とか我が子だけ延期してもらえないかを夫婦で交渉しに行きました。しかし逆に校長先生から「我が校はYear 6の3学期目からWeekly Boarderになる学校としてシニアスクールに認知されているので、もし寮生にならなかったら、息子さんがシニアスクールを受験する際に不利になりますよ。」と逆に説得されて渋々寮生活をスタートさせました。
日本ではもちろん通学生で、自主的に宿題をしたこともなければ、自分からピアノの練習に取り組むこともなし。自分で爪を切ったことさえありませんでしたので、私は空っぽになった息子の部屋を見ては毎日毎日淋しい気持ちで心配しながら過ごしました。
毎週水曜日と土曜日に行われる他校とのスポーツの対抗試合には必ず出かけて、学校へ戻る時には息子を他の子ども達と一緒のスクールバスでは帰らせずに、息子をおやつで釣って私の車に乗せ、道中は息子から細かく事情聴取。
他のお母さん達からは「心配性の美香がまた“cheating(軽い不正行為)”をしているわ。」と苦笑されていました。
校長先生やハウスマスターの先生にも頻繁にメールをして息子の様子を聞いていましたが、何のことはない。息子はいつの間にか逞しく成長していました。
朝は誰よりも早く起きて、ピアノ室で自主的に練習し、勉強にも真面目に取り組み、自分で自分を律する術を日々の寮生活の中で自然に身に着けていきました。
自立と成長を育む寮生活
精神年齢が幼く見えている子どもでも、子どもは親が考えているよりずっと賢く、逞しい生き物だと思います。
お子様の早くからの自立を促し、セルフマネジメント能力を培い、同年代の子どもや大人に囲まれて育つことで世の中の多様な価値観や他者へのまなざしを育くむ寮生活を皆様のお子様にも体験させてあげませんか?
その宝物のような時間や経験はお子様の未来を必ず変えると私は確信しています。