2026.01.17|最終更新日:2026.01.17
目次
イギリスでは「自分の考えを持ち、それを言葉で伝える力」が幼少期から自然に育まれています。本コラムではナーサリー(幼稚園)で行われる「Show and Tell」を入り口にイギリスの学校教育における自己表現の考え方や日本の教育との違い、小学校中学校へと続く表現力トレーニングの実態についてご紹介します。実際に現場を見て驚いた体験を交えながら、なぜイギリス留学が子どもたちの主体性や発信力を育てるのかお伝えします。
幼少期から始まる自己表現教育「Show and Tell」
イギリスのナーサリーで初めて目にした「Show and Tell」の時間は日本から来た私にとって大きな驚きでした。まだ幼い子どもたちが、クラスの前に立ち、自分の持ち物や体験について話すのです。お気に入りのおもちゃ、週末の出来事、家族との思い出など内容はさまざまですが共通しているのは「自分の言葉で伝える」ことが求められている点でした。日本の幼稚園では人前に立って話す機会が多くなかったこともあり、恥ずかしがり屋の長男は最初は「Show and Tell」の時間を嫌がっていました。しかし回数を重ねるうちに少しずつ慣れ、自分の順番が回ってくるのが待ちきれない様子へと変わっていきました。「次はこれを持っていこう」「今度はこの写真の旅行について話そう」と親子で話し合う時間も増え、私も一緒にワクワクさせてもらったことをよく覚えています。
親子で準備する「話す」時間の価値
Show and Tellは単なる発表の場ではありません。事前に「何を話そうか」「どう説明しようか」を親子で考えることが大切なプロセスとされています。言葉がまだ十分に話せない年齢であっても親が質問をなげかけ子供の考えを引き出します。この準備段階こそが思考を整理し、自分の考えを言語化する訓練になっているのです。私はこの年齢から家庭と学校が連携して自己表現力を育てている点に深く感銘を受けました。
受け身になりがちな日本の授業との違い
日本の教育では、先生の話を聞き、板書を写し、正解を覚える「受け身」の授業が中心になりがちです。発表の機会が全くないわけではありませんが、頻度や重要度はそれほど高くありません。そのため「人前で話す」「自分の意見を述べる」ことに苦手意識を持つ子どもも少なくありません。一方、イギリスでは幼少期から「話すこと」「意見を持つこと」が当たり前の行為として位置づけられています。
小学校で広がる表現のトレーニング
イギリスの小学校に進むと自己表現の訓練はさらに広がります。授業中の発言はもちろん、グループワークやプレゼンテーションが頻繁に行われます。国語(English)の授業のみならず他の科目の授業でも、自分の考えを理由とともに述べることが求められ、正解は一つではありません。「なぜそう思ったか」を説明する力が重視されます。Show and Tellで培われた経験がここで自然に生かされているのです。
中学、高校で求められる「自分の意見」
上の学年になるとディスカッションやディベートの要素がさらに強まります。歴史や社会科では、出来事に対する自分なりの見解を述べる課題が出され、理科でも実験結果をどう解釈したかを説明します。評価の対象は答えそのものだけではなく、考え方や伝え方です。幼少期から積み重ねてきた「話す経験」があるからこそ、生徒たちは自信を持って発言できるのです。
イギリスの教育で身につく一生ものの力
イギリスの学校教育を通して養われる自己表現力は単なる語学力にとどまりません。自分の考えを持ち、それを相手に伝える力は将来どの国で生きていくにも必要な「一生ものの力」です。Show and Tellから始まるこの表現教育は子どもたちの内面を豊かにし、主体的に学ぶ姿勢を育てます。幼少期からの留学は言語だけでなく、生き方そのものを学ぶ貴重な機会になると言えるでしょう。
最後に
イギリスの学校で培われる自己表現力は学力や語学力だけでは測れない、将来にわたって子どもたちを支える大きな力となります。幼少期からの積み重ねが生きる環境選びや学校選定、留学までの準備についてもイギリスのボーディングスクールを熟知した弊社がひとつひとつ丁寧にお手伝いいたします。ぜひお気軽にご相談ください。